オリーブの手入れや剪定
オリーブとは
- オリーブの実やオイルは世界的に有名で、熟した実をしぼったオイルはオリーブオイルとして有名で、日本では小豆島の名産品でもあります。
- オリーブは銀葉が美しく、芝生の広い、洋風の庭に合います。果実は苦くて生食はできませんが、塩漬けやバージンオイルを楽しむことができます。
- 木は乾燥に強く、また樹勢が強く大木になります。整枝や剪定の心得がなく、剪定を繰り返していては結実しないことが多いです。庭木としては、実を楽しむよりも、観賞用としての役割が大きいでしょう。
- 実を付けたいのなら、異品種の混植が必要です。
実を楽しみたい場合は新梢を残します。オリーブは今年伸びた新しい枝に翌年花が咲き実がなるので注意しましょう。
種類
オリーブの品種は、世界で1200種以上あるとされていますが、日本では、約60品種・系統が流通しているようです。最近は洋風のお家も多いので、シンボルツリーとして植える方が多いようです。
ミッション
直立性で上へ上へとバランスよく成長します。葉裏が白いのが特徴で、遠くから
樹全体を見ると細長い葉が銀色にも見えて美しく、樹勢も強いため、シンボルツ
リーなどの観賞樹に用いられます。
ネバティブロンコ
丸みのある細い葉の裏は緑色で、ほかの主要品種と比べるとやわらかく薄く、
フサフサで柔軟な緑の樹形が特徴です。萌芽力が強く、枝葉の数が多いので、
観賞用に適し、生垣やパーティション(目隠し)に使用できます。
国内での苗木生産量が多く、初心者でも比較的育てやすい品種といえます。
マンザ二ロ
スペイン語の「小さなりんご」からManzanillaと呼ばれ、果実がりんごに近い形で早生品種です。葉はやや銀葉系で他の品種より小型でやや丸みがあり、枝が密になり樹形もコンパクトにまとまり易い品種です。
果実は食用(ピクルス)やオイルに利用されます。
ルッカ
樹勢が旺盛でオリーブらしい美しい樹冠を形成します。長年放任すると横に
開いたような伸び方をしますので2年に1度は剪定をし、樹形を整える方が
よいでしょう。 放任樹形は開帳型を呈します。葉は卵型に近い巾広の可愛い
葉型です。果実は小ぶりな豊産性タイプ
栽培環境
日光を好むので、植えつけ場所は日当たり良好な場所を選びます。
水やり
庭植えは、土質にもよりますが、苗木や植えつけ直後の木を除けば水やりはほとんど必要ありません。
肥料
庭植えは2月と10月に有機質肥料(油かすなど)か速効性化成肥料を施します。
病気と害虫
病気:オリーブ炭疽病(たんそ病)、梢枯(しょうこ)病など
オリーブ炭疽病
果実が熟す7月から11月ごろに多く見られます。
この頃に降雨で湿度が高すぎると起こる、カビの一種です。
この症状は、果実に褐色の斑点ができて徐々に広がっていきます。
対処法
- 病気になった実やそれによって落ちた実は取り除く。
- 水はけをよくし、弱った枝などを剪定することにより病気が広がらないよう対処する。
梢枯病
6月の梅雨を中心に枝の先端が枯死しさらに枯れ込みが進み、
枝全体が枯死するオリーブの病気。
原因は炭疽病菌が残っている場合に起こります。
対処法
- 発病部と、健全部の境界から2~3cm下で発病枝を切り取る。発病枝は処分する。
- 切口にはペンコゼブ水和剤600倍を散布する。枝の先端を除去することにより枝全体の枯れ込みを防止する為。
害虫:オリーブアナアキゾウムシ、ハマキムシなど
オリーブアナアキゾウムシ
体長15mm、幅6mm程度、黒褐色で、口先が細長く伸びている体形
です。
成虫は、3月下旬~10月下旬まで活動を続け、冬場は冬眠するため活
動しませんが、3~4年生存しますので、その間次々に食害を続け、オ
リーブの木が枯れるまで樹皮を食い荒らします。
対処法
- オリーブアナアキゾウムシの防除は、4~8月にかけて、スミチオン乳剤の50倍液を葉や果実にかからなように注意して、主幹や太い枝などから地際まで3回ほど散布する。
- 成虫を発見したら、捕殺する。地際近くの分岐している枝の影などによく住み着く。
- 害虫が隠れやすい環境を排除することも大事ですので、地際近くの小さい枝なども剪定して発見しやすくしておく。
ハマキムシ
ハマキムシは、 葉と葉を重ねて綿状の幕を作り、中に入って葉を食害します。
発生時期は、4月から11月頃です。
葉巻のように葉を巻くところから付いた名前ですが、ハマキムシは、葉だけ
でなく、果実も被害を受け、中に入り込み食害します。
対処法
- 丸まった葉や虫が穴を開けた果実を見つけたら、こまめに剪定、摘果し処分する。
- ハマキムシは、発生してから駆除するのは大変なので、スミチオン乳剤の100倍液を発生時期前に散布し、予防する。
剪定
剪定は、日当たりや風通しを良くして、枝葉全体に満遍なく日光をあてる事が目的です。適期は3月から4月と、9月から10月。細かな剪定よりも、整枝が大事です。伸びたら切る、の繰り返しでは、樹勢が落ち着かず、結実しません。場所に余裕があれば、一般には開心自然形に仕立てます。場所が狭い場合は、主幹形に仕立て、側枝は角度を広くとり、枝垂れるように仕立てます。
剪定方法
- オリーブの木全体を良く見て、枯れている枝(不要枝)を全て枝元から除去します。
- 下向きに伸びている枝を全て除去します。
- 枝が込んでくると、枝と枝が交叉する箇所が出てきます。そのどちらかの枝を除去します。枝の多い方か、内側(中心)に向かって伸びている枝を除去すると良いです。
- 一本の枝から、無数に同じ方向へ出ている枝の数を間引いて減らします。
- オリーブは根元から、若い芽(ひこばえ)が出てきます。全て除去しましょう。元気な枝の養分を全て吸収してしまいます。
- 不要枝の除去が終わったら、各枝先を弱剪定して行きます。新しい枝を出す為の作業です。
※大木になればなる程剪定は大変になります。安全に作業しましょう。作業している間に病害虫などを発見したら、すぐに捕殺・殺菌剤を使って対処しましょう。
長く伸びた新芽をたどり、
横にある小さな枝は大切にしながら、
二股、三股になっているところから切りましょう。
切り込むと,ここまで小さくなります。
自然な感じを残して剪定しましょう!
宮原福樹園より
特徴にも書いたのですが、樹勢が強く大木になります。整枝や剪定の心得がなく、剪定を繰り返していては結実しないことが多いです。庭木としては、実を楽しむよりも、観賞用としての役割が大きいでしょう。植える場所も、日当たりが良く、広めの所をオススメします。夏は涼しげな印象で、人気のオリーブ。是非ご検討下さい。剪定消毒も行いますので、お気軽にご相談下さい。
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